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こんぬづわー、元・盛岡市地域おこし協力隊きのぷーです(*> ᴗ •*)ゞ
今日は、中国から来盛中の伝統工芸士・王超鷹(ワン・チャオイン)先生さんとともに、浄法寺塗の製造元である「うるみ工芸」さんを訪ねて来ましたーレポートをお届けします!
上海で生まれ育った王先生は長年中日文化の架け橋としてご活躍中で、盛岡はじめ全国各地のものづくりの現場を訪ね、関係者と交流を重ねてこられました。是非最後までお付き合いください(^∀^)ノ
早速行ってみましょう!
うるみ工芸さんの工房へ
午前中は、滝沢市にあるうるみ工芸さんの工房を訪ねられるとのことで、先回りして王先生をお迎えしました。
私自身、うるみ工芸さんの工房を訪ねたのは初めてで、思いがけず工房内の見学ができて願ったり叶ったり。王先生が来られるまでの間、前社長で浄法寺塗伝統工芸士でもあられる勝又吉治さんにご挨拶と面会させていただきました。
しばらくして王先生が到着され、社長の藤村真紀さんのガイドで工房内を見学しました。
工房内を見学しながら、王先生と懇談をし、様々なアドヴァイスをいただきました。
急遽、うるみ工芸さんのショールームへ
話の流れから、王先生からショールームも是非見たいとご提案があり、当初予定になかったうるみさんのショールームへ急遽訪問することになりました。
先ほど話題に上った「魅せ方」に関しては、王先生より概ね好評価をいただきました。その上で、情報を売るという点のアプローチへの取り組みをと念願されました。
うるみ工芸さんが古きを大切にしながらも、先進的な取り組みで、盛岡の地場産品の新たなトレンドを作られることを私も楽しみにしております。
王先生とお食事・懇談
午前の予定を終え、お昼ご飯を中央通にある海ごはんしまかさんで、王先生と会食しました。
席上、かつて、仕事で福建省の厦門市と甫田市のものづくり企業を訪ねたことや、貿易実務の仕事を経験があること、今後岩手に定住し、貿易関係の仕事に携わりたいことを申し上げたところ、中国で地盤産品を販売する仕組みなどをご提案いただくなど指導激励をいただきました。
王先生の所感まとめ
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最後に、本日王先生から学んだことの振り返り
- 中国(福建省など)でも漆・伝統工芸の復活には注力している。材料の確保が大変なのは中国も同じ
- 中国でも漆かき職人はそれだけでは食えない。漆アートや日用品作って生計立ててる。(アートのほうがお金になる)伝統工芸士もアート性の高い漆絵画と日用品としての伝統工芸品との融合(が求められてくる)
- 若い中国人は伝統工芸に興味持ってる。文化がなくなっている危機感があるのでは。西洋文化コンプレックスは日中の共通点
- 伝統工芸品のよさ。必要以上の手を加えた努力=作り手の気持ち、想像空間をビジュアルで見せることができる。工業製品のように形だけなら3Dプリントしてロボットにも作れる。でもこれでは心がない
- お金の使い方。ものではなく、作り手への敬意、感謝の気持ちでお金を出す
- 今後はブランド志向が終焉し、手づくりこそ贅沢
- 違和感を求めてる。敢えて違和感を作り出す。違和感と統一感は日本人のいいセンス
- 例:テーブルと椅子でメーカーが違う、奇数で計算する
- 魅せ方が大事。「朱」を活かしたり「盃」などの商品をアート的に魅せる。
- 物産展の魅せ方がつまらない。どんな角度から撮影しても美しく見えるように魅せる努力をする。お客さんが写真撮りたくなる、質問したくなるような魅せ方をすべき
- 例:着物を着てピアノを弾く日本人ピアニストが中国で大成功している。見習う点があるのでは?
- 写真撮影禁止のお店が日本に多いが、撮らせたほうがいい。敢えて位置情報も残して来させる
- 写真撮っただけで現物の技術が盗めるわけがない。情報伝達は商品の一つとして捉える時代。むしろ写真撮ってPRしたらお金出すお店すらある。情報を売る。時代に乗り遅れてはいけない
- 紙コップをやめてマイカップを持つキャンペーン
- 人に見せるときのステータス
- 機能面の理屈も必要だし、ストーリー性も重要。そこに気持ちが思い至らない若い人が多くなったから、教育も必要
- 盛岡の観光資源を立体的に見せよう
- (若いあなたへ)命の美しさがわかるような生き方をしよう
- 茶道ならぬ酒道
- 中国人観光客には赤い漆器よりも黒い漆器のほうが売れた
最後に
伝統工芸だけでなく、ビジネスにも精通しておられる王先生の着眼点は素晴らしいと思います。盛岡が王先生のビジョンを全部、、、とは言わないまでも、ひとつふたつ実現させただけでも、すごいと思うねんけどもなー。
今後とも、王先生にご指導を賜り、起業による定住と、地場産業の発展に貢献できればと思っております。