つなぎ地域の魅力
地元の秀峰・岩手山の裾野に広がる温泉地
周辺に温泉や山が多いことがつなぎ地区の第一の特徴でしょう。
温泉街にある湯の舘山を筆頭に南側には箱ヶ森、眼下には御所湖が広がり、北側には宮沢賢治の詩にも登場する七ツ森、さらに遠くには秀峰・岩手山が威風も堂々と聳えております。更に北西には秋田駒ケ岳を仰ぐことができますよ!
また、御所湖周辺に整備された御所湖広域公園は、大人も子どもも楽しめる憩いの場。10数か所の園地では、変り種自転車やゴーカートなどの乗り物が楽しめたり、グラウンドゴルフやバーベキュー、カヌーもできますよ。
また、岩手山の裾野に位置する小岩井農場、網張温泉、岩手高原も有名です。
つなぎの名称の由来
この地が繋(つなぎ)と呼ばれるようになったのか。由来を探るべく、当時の歴史を紐解いてみます
平安末期の康平年間(西暦1058-65年)、時の武将・源義家が阿部貞任を攻める際、現在の「湯の館」南方の山麓に本陣を構えました。世にいう「前九年の役」と呼ばれる戦いです。義家はこの地に温泉が湧いているのを発見し、愛馬の傷をこの温泉で洗ったところ、みるみる傷が癒されていったそうです。そこで、義家自身も愛馬を穴の開いた石に繋いで入浴したことから、繋温泉と呼ばれるようになり、付近一帯の地名にもなったと言い伝えられています。
南北朝時代の公卿・北畠顕成の子息、北畠顕忠(北畠少弐)がこの地に居を構え「滴石御所」と名乗ったことが、名前の由来と伝えられています。御所と言えば代々の天皇が居住する場所という意味が一般的ですが、位の高い貴人の住居という意味もあるのです。
明治22年。当時存在した繋村、西安庭村、南畑村、鶯宿村が合併し、御所村が誕生しました。当時の御所村は人口、面積、戸数、財政ともに雫石村を上回っていたそうです。
昭和30年。政府の市町村合併令が発せられ、御所村は雫石町に合併される計画が持ち上がりましたが、繋地区の住民が雫石町との合併に猛反対。盛岡市への合併を熱望した結果、西安庭・南畑・鶯宿の3地区が雫石町に、繋地区は盛岡市に編入され、今日に至っております。御所湖周辺で市境が入り組んでいるのは、歴史的背景があったからなんですね!
行政上の地名から御所の名前は消えましたが、昭和56年に完成した御所ダム(御所湖)に受け継がれました
出湯の里・つなぎ温泉
つなぎ地区南部には、開湯千年余の歴史を持つ「つなぎ温泉」があります。盛岡市街地から車でおよそ二十分という近さから、長らく「盛岡の奥座敷」と呼ばれ、岩手県内有数の温泉地として、地元の方や観光客に親しまれております。
つなぎ温泉の泉質
つなぎ温泉にある源泉は全部で6つあり、毎分2000リットルもの温泉が湧き出でております。
泉質は、血行や代謝の促進に作用するといわれる硫黄成分と、お肌の表面にある古い角質を落とす作用が期待できるアルカリ性のお湯です。肌の新陳代謝を促し、かつ、外部刺激から肌を守る成分セラミドを整えてくれる作用もあるメタケイ酸は55.6~149.9mg含まれております。
- 泉質:単純硫黄温泉(低張性アルカリ性高温泉)
- pH:8.7~9.5と高いアルカリ性が特徴
【泉質別適応症】アトピー性皮膚炎、尋常性乾癬、慢性湿疹、表皮化膿症
【一般的適応症】筋肉若しくは関節の慢性的な痛み又はこわばり(関節リウマチ、変形性関 節症、腰痛症、神経痛、五十肩、打撲、捻挫などの慢性期)、運動麻痺における筋肉のこわばり、冷え性、末梢循環障害、胃腸機能の低下(胃がもたれる、腸にガスがたまるなど)、軽症高血圧、耐糖能異常(糖尿病)、軽い高コレステロール血症、軽い喘息又は肺気腫、痔の痛み、自律神経不安定症、ストレスによる諸症状(睡眠障害、うつ状態など)、病後回復期、疲労回復、健康増進
日本温泉協会ウェブサイトより
【泉質別禁忌症】皮膚又は粘膜の過敏な人、高齢者の皮膚乾燥症
【一般的禁忌症】病気の活動期(特に熱のあるとき)、活動性の結核、進行した悪性腫瘍又は高度の貧血など身体衰弱の著しい場合、少し動くと息苦しくなるような重い心臓又は肺の病気、むくみのあるような重い、腎臓の病気、消化管出血、目に見える出血があるとき、慢性の病気の急性増悪期
日本温泉協会ウェブサイトより
ものづくりの里・盛岡手づくり村
御所湖を挟んだ対岸のつなぎ地区北部は田園風景が広がっており、尾入野エリアには「盛岡手づくり村」があります
「見て、触れて、創る」をコンセプトにした、地域の伝統技術を集めた施設で、ものづくり職人さんの技を間近に見ることができて、手づくり体験で自分のオリジナル作品も作ることができます。また、展示即売室では盛岡広域の地場産品を中心に、豊富なラインナップをご用意。
- 一流の職人さんが一流の品物を作り続けている
- その製作風景を間近で見ることができる
- 時には職人さんと対話することができる
ご来村いただいた皆さまには、是非ものづくりの現場をご覧になり、時には職人さんと直に対話されながら、職人さんが手がける製品が素晴らしいのかを知っていただければ幸いです。
繋遺跡〜縄文の昔から地域を育み続ける
つなぎ地区は知る人ぞ知る遺跡の町です。小規模ながらも、縄文時代から近世に至るまで、各時代にわたる遺跡が点在しています。
道路工事など公共事業を進めるタイミングで発掘調査を実施した結果、縄文時代にはすでにつなぎ地域に集落が存在し、出土した石器類などから、石器製作・石材供給の拠点遺跡であった可能性が高いことがわかり、さらに、地域の歴史を知る上で貴重な資料が数多く発見されてきました。
中でも1951年に地元で発見された縄文土器が国指定重要文化財に指定されるなど、縄文時代を代表する土器のひとつとして高く評価されております。
これら貴重な資料は「遺跡の学び館」(盛岡市本宮字荒屋)に所蔵されております。
自然の恵み豊かなふる里・田園地区
また、同じエリアには「尾入野湿生植物園」があり、夏には蛍が見られます。
つなぎ地域、御所湖周辺の野生生物
イノシシ、キツネ、タヌキ、テン、リス、ニホンカモシカ、ツキノワグマ、カンムリカイツブリなどが生息しております。また、冬季には御所湖でハクチョウを間近で見ることができるかもしれません。
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