【盛岡市地域おこし協力隊が】富山県南砺市・高岡市で地域資源をめぐる旅【行ってきました】

富山県南砺市

　富山県南西部の町、南砺市は平成16年11月に８町村が合併して誕生した市で、合掌造り家屋の集落や散居村と言った地域独特の集落景観が有名です

今回訪問した井波（いなみ）地区は、文化庁認定の日本遺産にも選ばれた日本を代表する木彫刻の町で、古刹・瑞泉寺の門前町として発展。江戸時代から受け継がれる彫刻技術と昔ながらの家屋が残る町並みの魅力を探りました。

道の駅井波（いなみ木彫りの里創遊館）

木彫刻見学工房と物産展示即売コーナー、多目的ホール、ミュージアムを兼ね備えた道の駅。正に盛岡手づくり村に道の駅の機能を付加したような印象です

小高い丘の上にあり、平日かつコロナ渦の状況からか、道の駅にしては周辺の交通量は少なめで、滞在中、観光客らしき方は殆どいませんでした

同施設には、オリンピックおじさんこと山田直稔（やまだ・なおとし）さん（波速商事株式会社元会長、故人）の常設展示室があります。オリンピックにまつわる品々が多数展示されています。入館無料。なお、同氏は旧井波町出身とのこと

「井波彫刻総合会館」は道の駅に隣接するミュージアム。井波彫刻の作品200点余りを展示。

匠工房は欄間や獅子頭の彫刻の実演やアクセサリー制作体験、神棚などの神具製造・販売を手掛ける工房が常駐しています。木を彫る音が工房から聞こえてきました。私が訪問した時点で１件工房の空きがあったようです

八日町通り及び周辺

瑞泉寺へと連なる石畳の道と木造建築群は井波地区を象徴するスポット。飲食店や工房などが軒を連ねています。木彫りのマイぐい呑みを工房で制作し、作りたてのぐい呑みで造り酒屋に持っていって地酒を試飲する楽しみ方もあるようです。

メインストリートから離れたところにも古民家が点在し、古き良き地域の伝統を大切にしている様子が窺えました

富山県高岡市

長年、子どもたちに夢と希望を贈り続けた藤子・F・不二雄氏の出身地。現在は若いものづくり職人の活躍が注目されています。古き良き伝統とイノベーションの両立に取り組まれる一方で、中心市街地の過疎化に悩む地域の現実を目の当たりにしました。

重要伝統的建造物群保存地区・山町筋

旧北陸道沿いの商人町、山町筋（やまちょうすじ）には土蔵造りの建造物が多数残されており、国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。古い建造物を活用した新しいお店もありました

ZIBA（高岡地域地場産業センター）

（公財）高岡地域地場産業センター（愛称・ZIBA（ジーバ））を訪ねてきました。高岡及び周辺地域の特産品の展示・販売の他、イベントスペースやセミナールーム、センター事務室を設置。鋳物や漆器の体験教室も開催しています。

昨年（2020年）10月に高岡駅近くにある複合商業施設「御旅屋（おたや）セリオ」の２階に移転されたことは報道等でも知っていて、百貨店のフロアに地場産センターを誘致したのはユニークだなと思ってました。

これは一昨年夏にテナントの中核であった大和高岡店が撤退し、空きテナントを解消させて賑わいを取り戻すための戦略とのことです。ジーバ誘致後も現状空きテナントの完全な解消には至っておらず、厳しい状況が続いているようです。

井波・高岡の旅を振り返って

冒頭に申し上げました通り、井波地区と高岡市は協力隊着任直後から注目していたエリアで、２年越しで現地の訪問が実現しました。

東京メトロ大手町駅に富山県の自動販売機を設置したり、中国など海外へのプロモーションを精力的に重ねたりするなど、富山県のユニークな取り組みに感嘆しておりました

砺波や高岡の中心市街地がシャッター街になっているなど、地域の課題は少なくないでしょうが、バズる要素はたくさんあると感じましたので、高岡がここから何か仕掛けてくるんじゃないかという楽しみはあります