【盛岡市地域おこし協力隊が】新潟県燕市・三条市のオープンファクトリーが凄すぎた話【驚愕した】

【盛岡市地域おこし協力隊が】新潟県燕市・三条市のオープンファクトリーが凄すぎた話【驚愕した】
きのぷー

こんぬづわー、元・盛岡市地域おこし協力隊きのぷーです(*> ᴗ •*)ゞ

地域資源をめぐる旅。今回は新潟県中部の町・燕市三条市に行ってきましたーレポートをお届けします!

ものづくりの町として名高い両市のオープンファクトリーを中心に見学させていただきましたが、ものづくりにも魅力発信にもこだわりの凄さを間近で体感することができました。あっぱれ!是非最後までお付き合い下さい(^∀^)ノ

早速行ってみましょう!

目次

新潟県三条市

燕三条地域の地場産業を支える企業のうち、オープンファクトリーを併設する事業者等を訪問し、ものづくりの魅力発信の現場を見てきました。前日、富山県南砺市と高岡市で地域資源をめぐる旅を終え、高速バスで前夜に三条・燕にきました

新潟線高速バスで燕三条へ

前半は三条市内、後半は燕市内の企業や施設、最後に燕三条地場産センターを訪ねてきました

EkiLab帯織

EkiLab帯織外観写真

JR信越本線帯織駅前に開設された会員制シェアオフィス兼ものづくり工房、交流施設。こちらは地元企業とJR東日本新潟支社が無人駅を活用し協力して地域活性化に取り組むプロジェクトの一環として設置されたもので、ものづくり用の機械やスペースが用意されているのは、ものづくりの町・三条ならでは。

きのぷー

「帯織駅がものづくりの始発駅」というキャッチコピーがいいね

EkiLab帯織エントランス
ラボ入口付近

駅前は宅地開発が進み始めていますが,写真の通り,周辺は辺り一面田畑が広がっています。

帯織駅周辺の風景
駐車場からみた木彫りの里外観

マルナオ株式会社

1939年創業。墨坪車の製造からスタートし、手工具、プラスチック製品の製造を経て2003年より箸の生産を開始。現在は新潟、東京、パリに直営店を持ち、欧州を中心に海外でも高い評価を得ているそうです。

マルナオ外観写真

内装も外装もおしゃれで、工場なのに一見ブティックかと思うようなおしゃれなエントランス。製造現場もめっちゃ綺麗。オープンファクトリーなので、来訪者に配慮した設計をされたとは思いますが、それ以上に実際に働いておられる社員さん第一に考えられているのではないかとさえ思いました

マルナオさんのオープンファクトリー入口
ブティックやアトリエを彷彿させるスタイリッシュなデザイン
マルナオさんのオープンファクトリーの扉の取っ手がお箸
オープンファクトリーの扉の取っ手がお箸。おしゃれ
マルナオさんのオープンファクトリーの展示スペース
オープンファクトリーの展示スペース

窓越しから見える製造風景を見ておりますと、黒を基調にした内装で、社員さんの作業着も黒で統一されていたとお見受けしました。同社のこだわりを垣間見た思いです。

きのぷー

マルナオさんだけでなく、この後訪れるオープンファクトリーでも全く同じ感想を持ちました。各社の個性とこだわりに感動しましたし、本当に驚いた

株式会社諏訪田製作所(SUWADA OPEN FACTORY)

諏訪田製作所社屋外観

1926年創業。釘の頭を切るための道具(喰切)の製造からスタート。以来ニッパーや爪切りなど「刃と刃を合わせて切る」道具に特化した製品を世に送り続け、数多くの賞を受賞。ロンドンの都心部に支店があり、海外でも高い評価を得ている。

きのぷー

離れの倉庫なども同じデザインで統一しててかっこよかったっす

諏訪田製作所エントランスロビーのオブジェ
エントランスのオブジェがインパクト抜群 ハートわしづかみ
カフェスペースに併設されているカンファレンスルーム
カフェスペースに併設されているカンファレンスルーム
カフェ・スミス
カフェ・スミス

一般客はもちろん、社員さんも利用されているようです。照明は出雲崎町の磯野紙風船製造所さんとコラボし、製造時に出る廃材を使って作られたオリジナルとのこと。社員食堂「レストラン・クイキリ」も一般客の利用が可能。地場産のジェラートやイタリア産珈琲など、メニューにもこだわった本格派

オープンファクトリー内部の様子

オープンファクトリー内部の様子。廊下には展示品はなく、工場見学に特化した設計とお見受けしました。廊下にはソーシャルディスタンスに配慮し2メートルステッカーが設置されていました。作業場は黒を基調とした内装に合わせて、社員さんのユニフォームや機械等も黒に統一されていました

SUWADA直営店舗

直営店舗。店舗限定品を始めとした自社製品の他、地場産品も販売していました

三条ものづくり学校

三条ものづくり学校外観

2014年3月に閉校した三条市立南小学校を三条市が民間企業のノウハウを活かし、リノベーション・管理運営委託している施設。私が東京・世田谷在住時に地元にあった「IID 世田谷ものづくり学校」の姉妹校で、コンセプトや内装は基本的には同じ印象でした。地場技術やアイデア発信拠点、交流拠点として、その使命は大きいと思います。

きのぷー

同校は初訪問でしたが、かつて私自身も世田谷ものづくり学校で、東日本大震災の復興支援に頑張っている仲間たちと一緒に三陸沿岸部の特産品販売や、地元の漁師さんを招いてワークショップを開くなどして、ものづくり学校を活用したイベントに携わった経験があり、親近感がありました。

三条ものづくり学校内観1
三条ものづくり学校内観2

三条鍛冶道場

三条鍛冶道場外観

平成5年、鍛冶職人による切り出し小刀づくりの体験講座を開講したことが淵源。

以来、数多くの鍛冶体験事業を推進。平成17年度に伝統技術とものづくり精神を次世代に継承し、新たに発展させるための研修施設として開設されました。後継者の育成及び伝統技術の伝承、市民を対象とした総合学習の拠点としての役割を担っております。

この日は道場内の展示スペースと工房を見学致しました。

三条鍛冶道場展示スペース
展示スペース
三条鍛冶道場 工房エリア
工房エリア
きのぷー

三条市内の企業めぐりはここまで。これだけでも大満足ですが、燕市も凄かった・・・後半へ続く

新潟県燕市

燕三条地域の地場産業を支える企業のうち、オープンファクトリーを併設する事業者等を訪問し、ものづくりの魅力発信の現場を視察しました

藤次郎オープンファクトリー

藤次郎オープンファクトリー外観

1953年創業。農機具メーカーとして出発。その後農閑期にフルーツナイフの製造を始めたことが現在に続く包丁・調理用品の製造販売の淵源。

燕三条ならではの高い地場技術を生かし、不可能とされていたデザインの包丁を次々と世に送り出してこられました。日本国内はもとより、フランスやドイツなど欧州を中心に海外から高い評価を得ています。

オープンファクトリーエントランス
オープンファクトリーエントランス
きのぷー

外観が町工場じゃなくてミュージアムでした。でもれっきとした工場です

オープンファクトリー内部

同社のオープンファクトリーは、溶接等一部の行程を除き、ガラス張りのない製造現場を見ることができるエリアもありました。さらに、階段を登り2階から製造現場を見学できるエリアもありました(こちらもガラス張りなしでした)

展示スペース

工程ごとに展示品と解説文が設置されていますが、写真のように動画による解説もありました。

きのぷー

平時であれば職人さんからの説明や会話も可能だそうです(この日は感染症予防のため挨拶のみでした)

燕市産業史料館

燕市産業史料館外観

1973年開館。2019年4月リニューアル。燕三条地域の産業の変遷を伝える展示品を始め「つばめものづくりテーマパーク」など、身近なものに燕三条の地場技術が活かされている事例を紹介しています。体験工房館が設置されていて、ものづくり体験も随時受け入れているとのこと。

体験工房館内部の様子
体験工房館内部の様子
燕三条地域の昔の地場技術の展示品
燕三条地域の昔の地場技術の展示品
燕三条地域の地場技術の歴史を紹介するコーナー
燕三条地域の地場技術の歴史を紹介するコーナー

燕三条地域の地場技術の歴史を紹介するコーナーでは、100円ショップの台頭など、燕三条の地場産業の脅威に対する地元の事業者の取り組みを伺い、感嘆しました。

つばめものづくりテーマパーク
つばめものづくりテーマパーク

つばめものづくりテーマパークでは、「リアルな燕のものづくりを発信」と銘打ち、地場企業の技術が我々の生活に密接な関わりがあることを伝えています。

鏡面仕上げのスバルR1
鏡面仕上げのスバルR1

新車のR1の塗装を剥離し、磨いて光らせたもの。世界に1台しかありません。2007年1月開催の「ものづくり展」出展のため、国立科学博物館から燕市に依頼があり、燕市商工会議所と地場企業10社で「磨き屋シンジケート」を結成し、この難事業に挑んだのだそうです。これはすごい。

きのぷー

訪問当時、燕市では同史料館で活躍する地域おこし協力隊員(産業観光ナビゲーター)を登用予定だと伺いました。なにそれうらやましい

きのぷー

三条市でも、先の「EkiLab帯織」を活動の拠点に、部品加工系企業の高付加価値化や効果的な情報発信を目的として、地域外からのニーズを集約することが出来るプラットフォームの構築を支援する地域おこし協力隊員が活躍中だと後で知りました。くっそうらやましい

燕三条地場産業振興センター

燕三条地場産センター物産館

最後に、2年ぶりに燕三条の地場産センターに行ってきました。物産館エリアは平日にしては人が多かった印象です。東京ヤクルトスワローズとのコラボ商品(燕つながり)や新型コロナウィルスに配慮した商品ラインナップが充実していました。

燕三条地場産センター内観

燕三条の地場企業訪問を振り返って

燕三条地場産センター

2018年暮れ。地域おこし協力隊に着任したばかりの私に、当時の係長から「是非一度行ってみるといい」と強く勧めていただいた、燕三条地場産業振興センターを訪問しました。

今回は、地域の地場産業を支える企業の中から、オープンファクトリーを併設する事業者等を訪問し、ものづくりの魅力発信の現場を視察させていただきました。

従来であればクローズドにすべき工房内の一挙手一投足を敢えて公開するという勇気と覚悟、また現場で見させていただいた社員さんのものづくりへの姿勢に、驚きと感動の連続でした。地元企業が自分たちの技術に情熱と誇りを持って日々のものづくりに励んでおられることが存分に伝わってきました。

きのぷーが考える、今回訪問した企業様の共通点

僭越ながら、今回訪問させていただきました企業様には共通点があったように思います

おしゃれなオープンファクトリー

ものを製造するファクトリーでありながら、内観・外観が最早アトリエ・ミュージアム。どこも町工場の固定観念を打ち破る設計でした。

社員ファースト

オープンファクトリーの名前通り、来訪者が観覧しやすいように配慮されていましたが、それ以上に、工場で働く社員さんが溌剌とものづくりに打ち込んでおられるご様子を拝見し、現場の方が働きやすい環境にも心を砕かれているのだと私には感じました

きのぷー

今回訪問させていただいた藤次郎さんは本年「健康経営優良法人」に認定されたのも、頷けます

社員が幸せな会社は業績も良い。その一端を垣間見た思いです。

ホームページのデザインやコンテンツが洗練されている

ストーリーや思いを自分の言葉で語っておられました。無駄が全く無く、伝えたいことにフォーカスされていて完璧。見せ方、伝え方を知り尽くしたプロが作り込んだのでしょう。細部へのこだわりもを感じます。細かく丁寧に仕事されていらっしゃるのが伝わります。

最後に

きのぷー

盛岡市ものづくり推進課においても、ものづくり技術集を発刊するなど、地域に根付く素晴らしい地場技術を伝える事業を推進してきました

そうした技術は、どこか遠いところにあるのではなく、身近なところにあるのだという理解が一般市民(特に次代を担う子どもたち)に浸透していくことが鍵になるのではないかと思います。

盛岡の地場産業やものづくりの技術をより身近に感じていただけるような、認知度向上につながる発信に取り組んでいきます

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