【岩手県一戸町】長山工芸さんを訪ねてきました【地域おこし協力隊が行く】

岩手県一戸町にある長山工芸さんの魅力に迫る!
きのぷー

こんぬづわー、元・盛岡市地域おこし協力隊きのぷーです(*> ᴗ •*)ゞ

今日は、岩手県北・一戸町の長山工芸さん訪ねてきましたー
レポートをお届けします!

早速行ってみましょう!

代表の長山三蔵さんと後継の長山祐司さんにお出迎えいただきました

きのぷー

工房の現場で1時間ほど立ち話(ほぼ三蔵さんがしゃべってましたが😁)

目次

長山工芸さんの製品の魅力とは

早速、商品の1つである小さな行燈を見せていただきました

小型の丸行燈
小型の丸行燈

立体的に浮かび上がって見えてきました。こちら、平安時代から続く日本古来の「組子」の技法を応用して、三蔵さんが独自に考案されたものなんです!名付けて「南部細目組紋様細工」(なんぶ・さざめくみ・もんようざいく)


中心と端とで太さが違うので、見る角度によっても見え方が変わるのが面白いし、すごい。しかも、縦のパーツと横のパーツを嵌めあわせているのですが、微妙なずれが1箇所でもあると組み立てができないそうですよ😳

南部細目組紋様細工 拡大写真
南部細目組紋様細工を拡大して見てみます

この南部細目組紋様細工は行燈の他にも、衝立やテーブルといったものから、かつての主力商品であった建具にも採用されております。伝統的な趣とともに、強度を併せ持っていて、大きなものにも応用が利くのだとか

きのぷー

建具のような大きなものは受注生産とのことです

商品の原材料の木は岩手、青森、秋田県の天然の木材を使用しておられます。素材が素晴らしく、かぐわしい木の香りにも癒されますねぇ😌

けやき製のテーブル
南部細目組紋様組子細工のテーブル
この嵌めあわせが強度の秘訣

嵌めあわせの部分にも、三蔵さんのこだわりが感じられます

この嵌めあわせが強度の秘訣
かんなの削り屑にも価値がある!

かんなの削り屑がほしいと注文されるお客様も中にはいらっしゃるそうです!確かに「かんな「くず」」って呼ぶには勿体ないですよね。いい匂いするし

かんなの削り屑
思わぬところに価値を見出してくださる方も

南部細目組紋様細工 誕生秘話

かつての屋号「長山建具工芸」
旧屋号「長山建具工芸」の看板。昭和39年に建具店として独立。今年で創業55年

同社は元々建具を作っておられたのですが、住宅事情の変化に伴ってニーズが減少する中、「このままではいけない!」と一念発起し、建具製造の傍らで新しい組子細工の研究を開始、新商品の開発に取り組まれてきました。昭和55年のことでありました。

3年にも及ぶ試行錯誤の結果、オリジナルの組子細工の開発に成功し「南部細目組紋様細工」と命名されました。

「一念岩をも通す」三蔵さんの戦い

「商売をしている以上、いいものを作っても売れなければ意味がない。そのためには、人と同じものを作っていてはだめだ」

との信念で商品開発を進めてこられましたが、新しいことを始めようとしても、すんなり受け入れられないのが世の常。身内をはじめ、周辺の人々から売れるわけがないと反発を受けたそうです

しかし、そんなことでめげる三蔵さんではありません。「絶対に売ってみせる」との情熱の炎は、ますます燃え盛っていったのです

そんなある日、転機が訪れます。自分の作った製品を日本貿易振興会盛岡貿易情報センター(当時。現在のジェトロ盛岡)に持っていって売り込みに行かれたところ、「是非(岩手)県の担当者に紹介させてほしい」という話になり、後日、県から国際見本市への出品オファーが来ました

このとき、たまたま三蔵さんの作品が大手百貨店の担当者さんの目に留まり、そこから一気に販路が全国に広がっていったそうです。今も百貨店での販売は続いており、全国各地を飛び回る日々を送っておられます

著名な方にも愛用者がいらっしゃるそうで、行燈の商品名「寂光」は、瀬戸内寂聴さんにちなんで名付けられたとのことです

最後に

同社は西日本(特に中国地方)を中心に全国各地に販路を持っておられますが、

「人と同じもの作っても売れない。違うものを作らないと。地元の人ほど買わない。いいものと褒めるだけ。作ったら売れてなんぼ」

「今の時代、ものを作っていただけでは売れない。営業力も必要だ」

「モノを売るのではなく、(クリエイターの)心やキャラクターも売っていかなければいけない」

と、ビジネスマッチ東北のようなビジネスマッチングや各種展示会への出展に精力的に取り組まれております。

「絶対に成功させる」という強い意志と自信、弛まぬ研鑽を重ね、かつ、実直なお人柄と笑顔が魅力的な三蔵さんに惹かれてリピーターや新たな人脈が生まれ、55年という長い間、事業を継続することができた秘訣なのだと思いました

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