きのぷー
こんぬづわー、元・盛岡市地域おこし協力隊きのぷーです(*> ᴗ •*)ゞ
今回は盛岡市本町通にある株式会社浄法寺漆産業さんの事務所を訪ねてきましたーレポートをお届けします!
既成概念を打ち払って「漆」を捉え直し、新たらプロデュースを手がける同社の取り組みや思いに迫ります。是非最後までお付き合いください(^∀^)ノ
早速行ってみましょう!
予めご了承ください
株式会社浄法寺漆産業さんは2023年3月22日付で「株式会社松沢漆工房」に社名を変更されておりますが、当該記事執筆時点(2019年7月9日)の社名のままとなっております点、予めご了承ください
今日は、盛岡市本町通にある浄法寺漆産業さんの事務所を訪ね、松沢卓生社長と面会して参りました。
「漆の精製加工、販売」及び「漆器の企画、小売、卸売」を手がけておられますが、既成概念にとらわれずに「漆」そのものをプロデュースするために様々な取り組みに挑まれている一端を伺うことができました。
目次
きのぷーメモ
本日松沢社長から学んだことの振り返り
自社の取り組みについて
- (漆産業が)衰退しきっていたので、一から作り直している
- 職人ありきの業界。販売や事務仕事に手が回らないのが積年の課題。手を回せたとしても、自分のところで手一杯
- 漆は人工でもなかなかつくれない高分子。漆のよさを活かした新商品づくりにも取り組んでいる
- 古くて新しい産業にチャレンジ。「漆=工芸品、文化財」という側面でしか見られておらず、総合的な対策が遅れている
- (「漆は儲かるのか?」という意見に対し)将来性はある。需要もある。発想を変えないと漆産業は無くなってしまう。別の業界からの知恵を借りる。これがカギ
- 「体験・実演」これは大事にしたい。漆掻きは普段体験できない。(漆掻きの)現場を見てその場で買ってもらう
- 苗木が足りないので増産に取り組んでいるが、自然に発芽しにくいので、ひと手間かけているのが現状。大学など研究機関で発芽率向上について研究中。二戸でも木が足りず、青森県産のものも使っている。木がないとどうしようもない
- 太鼓やピアノといった楽器にも漆が使われている
岩手県・二戸市と漆
- 岩手県の二戸農林振興センター林務室には漆の担当部署はあるが、岩手県庁本庁に担当部署がない。環境省など、国の担当者ですら漆のことをよくわかっていない。講演会などの機会を設けてPRをしていく
- 二戸市では地域おこし協力隊員として漆掻きを採用しているが、本業でやるのは至難。本質的な改善には至っていない。サラリーマン漆掻きが理想だが、値段が上がってしまうため、漆掻きをせずに機械で採取する
- 静岡県が漆生産に本気で取り組んでいる。5年で育つ。岩手よりも育ちが早い。ライバルの追随に立ち向かうためにも、岩手ならではの売り込みが重要になってくる。岩手が漆産地日本一なのは、どちらかといえば周りが廃れて残った(消極的な)結果。今後は振興策等に力を入れていくべき
盛岡市と漆
- 盛岡市はポジション的に優れている。盛岡らしさを出せる要素はあるし、ポテンシャルもある
- シカなど漆の獣害が深刻。盛岡市では現状、農作物にしか対策用の予算を確保されておらず、漆にも適用されるように動いている
- ウルシネクスト(ページの最後のリンク参照)の拠点が盛岡にもあり、盛岡市の別の地域おこし協力隊員とも連携し、大学での勉強会や実験等も推進中
- さんさ太鼓の桶職人を協力隊として受け入れてはどうか
最後に
文化財の修復に漆が使われますが、現状需要に対して漆の量が圧倒的に足りないそうです。工芸品や文化財以外の活用の可能性もまだまだこれからだと教えていただきました。
岩手が漆のトレンドリーダーとしての真価が問われるのはこれから。浄法寺漆産業さんがその中核としてご活躍されることは間違いないでしょう。