こんぬづわー、元・盛岡市地域おこし協力隊きのぷーです(*> ᴗ •*)ゞ
今日は、青森県八戸市にある地域密着型の貿易商社・株式会社ファーストインターナショナル様を訪ねて貿易実務の知見を教わった話です
早速行ってみましょう!
なんで、私が八戸に!?
本題に入る前に、どうして盛岡市で活動している地域おこし協力隊員が八戸の企業訪問を考えたか。
実は、地域おこし協力隊の任期満了後に、岩手の地で輸出ビジネスを立ち上げたいと考えたものの、知見も人脈も圧倒的に足りません。
そこで、東北地域を拠点に貿易関係の事業(特に輸出)を進めておられる企業さんに実務的な知見をお伺いすることから始めようと思い、探した結果、同社にたどり着き、2020年9月初旬に問い合わせメールを送りました。
盛岡広域の地場産業振興のため、企業訪問や情報発信等の業務に従事しております。
貿易商社やメーカーでの10余年の勤務経験を生かし、将来は岩手県の特産品を海外に販売する地域商社の創業を考えております。
東北における地域密着型の貿易商社として先進的なご活躍をなさっておられる御社のご担当者様から知見をお伺いし、岩手県における貿易事業の促進にお役立てができればと考え、ご連絡差し上げました。
ご検討のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
すると、同社のご担当者様からその日のうちに
我々でよろしければ、情報交換させて頂ければと思います
とご連絡いただき、面会が実現しました
同社から教わったこと
同社オフィスにて営業部長様と面会。同社創業の経緯や事業内容、実務的な知見を伺いました
創業の経緯
1994(平成6)年に八戸港初の国際コンテナ航路(東南アジア方面)が開設。当時、貿易を担う商社が地元になかったことから、地元に貿易商社を作ろうと、商工会議所青年部メンバーを中心に出資し設立。地場企業による海外展開の機運があったというよりは、国際航路を活用したいとの思いのほうが強かったとのこと
創業時のメンバーは3名。大手商社OBを迎え入れ、貿易のイロハを学んだ。草創期は大手商社時代の事業(東南アジアから玉の石や靴の輸入)からスタート
自社の実績としては八戸市の姉妹都市である米国ワシントン州フェデラルウェイ市の企業様との取引が初
事業内容等
五カ国・地域(アメリカ、中国、台湾、香港、ベトナム)と取引あり(2020年9月時点)。地域密着型貿易商社と謳ってはいるが、実際は日本全国に顧客を持っておられ、地域商社の域を超えた事業を展開中。輸出は地場産品以外の取り扱いが多い
例えば、鯖の輸出は青森以外の地域で水揚げされたものも扱っておりましす。青森だけ、と決めてしまってはかえってお客様のためにならないし、お客様の繋ぎ止めが厳しくなるんです
主な取扱商品
- 生鮮食品:りんご、長芋、桃、柿、ぶどう、梨、にんにく、メロン、生卵 他
- 冷凍水産物:秋鮭、鯖、助惣鱈、イナダ、マダラ、コノシロ、イカ、ホタテ 他
- 加工食品:りんごジュース・ジャム、干し柿、りんご酢 他
- 木材・建材:2×4ランバー、針葉樹合板、構造用集成材 他
- 青果物:玉葱、南瓜 他
- 食品:オリーブオイル、ワイン
- 鋳造用原料:フェロシリコン、加炭材 他
課題等
小ロットの取り扱いをどうするか。この点が小規模事業者の輸出促進の裾野を広げる上で積年の悩み。自社で対応できない問い合わせや引き合いに対しては、同業他社をご紹介される事例もあるとのこと
きのぷーからの質問
同社にお伺いしたい点を事前に準備してズバリ聞いてみました
岩手や青森はパスポート取得率が全国最低水準。この事実に対してどのようにアプローチすればよいか
一般人の意識は低いかもしれないが、海外を意識している事業者は多い。(海外に行っている経営者は多い。特に海外からの研修生を受け入れている事業者(水産、縫製、鶏など))
顧客をどのように獲得しているのか
銀行に「◯◯会社を紹介してほしい」「こういう商品を売り込みたい(のでそれを扱っている企業を紹介してほしい)」等、積極的に顧客紹介を提案してきた。海外(のメジャーな銀行)と提携する意味から、メガバンクとも取引することをお薦めする。また、輸入業者の紹介をいただくと、日本の輸出業者もセットで紹介いただけることが多い
ジェトロさんを活用すべし。持っているデータベースがすごい。マーケットや流通状況、現地で日本人どうしが商戦を戦わせている実情もわかる。所長以下、盛岡事務所のスタッフは岩手県における輸出促進に関し熱意を持っておられると聞いている。であれば、なおのこと積極的に活用するといい
事業者の自立を促すコンサルティングか、顧客のワンストップ依頼を引き受けるか、どちらを重視すべきか
両方対応できることが望ましい。顧客を見て判断し、対応していくのがいいだろう。その上で、できることとできないことは(顧客に)はっきり伝えるべき
顧客が自ら市場調査をし、お客様に熱意を持って自社商品をアピールできるようなアドヴァイスや、輸出規制の有無や競争の有無と言った情報提供を行った事例はある
所感
冒頭に申し上げました通り、将来の起業に向け知見を伺いたく、私から同社に面談の申し入れをした結果、突然のご連絡にもかかわらず「私達でよければ是非お会いしましょう」とご快諾をいただき、面会が実現しました。私の思いや質問に対して、全て丁寧にお答えいただきました。
メガバンクとの取引についてなど、実務に裏打ちされたアドヴァイスをいただけたことは、本当に有り難いことだと思います。今後も何か困ったことがあれば相談に乗るよと言っていただきましたので、引き続き連携を密にして参りたいと思います。
輸出に興味はあるけど、をしたらいいかわからないと困っておられる岩手の中小事業者のサポートに携わりたいと考えてはいたものの、長期的に事業を継続していくにはこれだけでは弱いと悩んでいたところ、同社での面会を通して、目指すべきは「町の貿易会社」ではなく「岩手の総合商社」であるべきなのかと感じました
それってまさしく岩手県産さんやん…
でも、県産さんに話を聞いてると、なかなか手が回らない部分があるって聞いてるし、そこが肝になってくるかもな
そういう意味では、ファーストインターナショナル様が謳う地域密着とは、地域の事業者のための貿易商社であるのみならず、八戸市を拠点にした、名実ともに青森を代表する地場の総合商社たれ、ということなのかもしれません
岩手の貿易商社を目指すとなれば、私一人でできることには限界があります。ジェトロさん、自治体、岩手県産さんとの連携を核に、積極的に見込み客や関係各位にアクションを起こし、応援もいただきながら、開業に向けて動きを加速させていきたいと思います