こんぬづわー、元・盛岡市地域おこし協力隊きのぷーです(*> ᴗ •*)ゞ
今日は、途中下車を活用して盛岡にアクセスする方法について探ってみたいと思います。現役バリバリの盛岡市民(+国内旅行業務取扱管理者試験に受かった人間)ならではの視点で情報をお届けしますよ!!!是非最後までお付き合いください(^∀^)ノ
早速行ってみましょう!
- 2024年2月15日時点の情報となります
- 本記事の営業キロは運賃検索サイトを使って算出しております。厳密な営業キロの計算に関しては、念のため、各事業者様公式の情報をご確認下さい
- また、以下の内容は変更となる場合もございます。最新の情報につきましても、事業者様発行の情報媒体をご確認下さい
- 本情報のご利用に基づくいかなる損害に対しても責任は負いかねます
「途中下車」とは
そもそも途中下車とはどういう制度なのか。JRさんでは以下のように定義しています。
旅行途中(乗車券の区間内)の駅でいったん改札口の外に出ることをいいます。次の例外を除き、乗車券は、後戻りしない限り何回でも途中下車することができます。
JR東日本ホームページ
私が子どもの頃はJRだけでなく、多くの私鉄で途中下車が可能でした。
その後徐々に廃止されていくのを目の当たりにしてきたので、最早「下車前途無効」が当たり前だと思ってました。
それが、今も制度として残っていたことに驚きました
途中下車利用の条件
JRの場合、以下の事例に一つでも該当する場合は途中下車できません。
- 片道の営業キロが100キロまでの普通乗車券
- 営業キロがピッタリ100.0kmの場合は適用外、100.1kmからの適用となります
- 大都市近郊区間内のみをご利用の場合の普通乗車券
- 回数券
- 一部のトクトクきっぷ
- 特急券、急行券、グリーン券、寝台券、指定席券、乗車整理券、ライナー券
ちなみに、上記にあるJR各社の「大都市近郊区間内」。東北関連だと、JR東日本が指定している仙台近郊区間になるわけですが、その範囲がまあ広い。
本当は図解したほうがわかりやすいのですが、テキストでご容赦下さい
- 東北本線:矢吹-平泉
- 東北本線利府支線:岩切-利府
- 仙石東北ライン:全線(塩釜-高城町)
- 常磐線:小高-岩沼
- 仙山線:全線(仙台-羽前千歳)
- 仙石線:全線(あおば通-石巻)
- 石巻線:全線(小牛田-女川)
- 陸羽東線:全線(小牛田-新庄)
- 磐越東線:船引-郡山
- 磐越西線:郡山-喜多方
- 奥羽本線(山形線):福島-新庄 (同区間の特別急行列車(山形新幹線)に乗車する場合は除く)
- 左沢線:全線(北山形-左沢)
福島〜新庄間は、山形新幹線を利用するかしないかで適用の有無が決まるややこしい初のケースのようです
たとえ営業キロをクリアしても、上記範囲内のみを利用場合、途中下車はぶっぶー、ですが、片側がエリア外であれば区間内でも途中下車OKとなります
ご覧の通り、盛岡駅は仙台近郊区間外です。つまり、盛岡発着で営業キロ100キロを超える乗車券を持っていれば途中下車できるケースがあるのです!
そこで、盛岡起算営業キロ100km境界駅を調べた
盛岡駅から乗車する設定で、JR線、3セク線問わず、営業キロ100キロの境界駅を調べた結果、こうなりました。
上記駅を含む以遠の駅までの普通乗車券を購入した場合、途中下車が可能となるのですが、いくつかパターンがあるので一つずつ解説します。
グループ1
盛岡駅〜下記の駅までの切符(その先の駅も含む)を買えば途中下車できる、一番シンプルなパターンです
- 山田線 宮古駅 102.1km
- 大船渡線 陸中門崎駅 103.9km
- 東北本線 清水原駅 100.9km
- 奥羽本線 羽後境駅 100.5km
- 奥羽本線 醍醐駅 101.4km
- 奥羽本線羽後境駅と醍醐駅は大曲経由という設定です
- 東北本線清水原駅は仙台近郊区間ですが、盛岡駅が区間外のため、途中下車OK
- 大船渡線陸中門崎駅は途中一ノ関〜平泉間で仙台近郊区間内を通りますが、途中下車OK
- 三陸鉄道管内は対象外。宮古駅から先は三陸鉄道管内ですので、別途「片道途中下車きっぷ」のご購入をご検討下さい
グループ2
元JR在来線で、経営分離された青い森鉄道といわて銀河鉄道(IGR)線を通るケース
- 青い森鉄道 苫米地駅 100.2km(IGR経由)
- 花輪線 末広駅 103.5km(IGR経由)
- 2社とも基本的に片道100キロ以上の乗車券で、後戻りしなければ何回でも途中下車可能
- 青い森鉄道管内(目時〜青森間) 101km以上の区間の乗車券を持っていればOK。営業キロの1キロ未満のは数は1キロ単位に切り上げのため、実質100.1kmから適用。100.0kmちょうどは適用外。青い森鉄道単独区間、JR区間込み、どちらでも可
- いわて銀河鉄道管内(盛岡〜目時間) いわて銀河鉄道線を含む片道100キロ以上の乗車券を持っていればOK。発駅・着駅ともにいわて銀河鉄道線内の場合は、途中下車不可(そもそも盛岡〜目時間の営業キロが100キロ以下)
- 三陸鉄道管内は対象外。「片道途中下車きっぷ」を別途購入しましょう
グループ3
盛岡駅からJR釜石線を利用するケース。この場合は在来線で花巻駅を経由するか、東北新幹線を使って新花巻駅を経由するかで、営業キロ100キロをクリアする駅が変わります
- 釜石線 上有住駅 100.7km(東北本線花巻経由が条件)
- 釜石線 陸中大橋駅 102.6km(東北新幹線新花巻駅経由でも適用)
- このケースは営業キロを別路線とみなして計算するため、どっちのルートを使うかで適用条件が変わります
- 花巻駅経由の場合、上有住駅で100kmを超えるので、目的地が上有住以遠の乗車券で途中駅の途中下車が可能
- 盛岡→(花巻)→上有住 100.7km OK
- 盛岡から新幹線を使って新花巻を経由する場合は上有住までの営業キロは100km未満となり、上有住までの乗車券では途中下車はできません
- 盛岡→(新幹線新花巻)→上有住 94.3km NG
- 新幹線新花巻駅を経由する場合は、陸中大橋駅以遠の乗車券であれば、途中下車が可能
- 盛岡→(新幹線新花巻)→陸中大橋 102.6km OK
(ご参考までに)上有住駅から乗車し、新花巻〜盛岡間で新幹線を利用した場合、目的地がIGR巣子駅(104.5km)から先の駅の乗車券であれば途中下車OK(その手前の厨川駅は99.9km)
グループ4
JR北上線の100km境界駅。どのルートを経由するかで途中下車OKの駅が変わります
- 北上線 相野々駅 101.2km(大曲経由、北上経由どちらでもOK)
- 北上線 矢美津駅 104.4km(北上経由が条件)
- 北上線・奥羽本線 横手駅 108.9km(北上経由が条件)
- 相野々駅のみ、大曲、北上どちらを経由しても100キロ超えます
- 盛岡→(北上)→相野々 101.2km OK
- 盛岡→(大曲)→相野々 102.0km OK
- 矢美津駅は、北上駅(北上線)経由に限り適用
- 盛岡→(北上)→矢美津 104.4km OK
- 盛岡→(大曲)→矢美津 98.8km 途中下車前途無効
- 横手駅も、北上駅(北上線)経由に限り適用
- 盛岡→(北上)→横手 108.9km OK
- 盛岡→(大曲)→横手 94.3km 途中下車前途無効
長距離きっぷだと、有効期限が延びる
もう一点JRのきっぷのルールで注目すべきは有効期限。
- 営業キロが100キロまでの場合
- 大都市近郊区間内のみ利用の場合
ですが、101キロ以上の乗車券の有効期間は距離に応じて延びます(大都市近郊区間内のみ利用の場合を除く)
- 200キロまで 2日
- 400キロまで 3日
- 600キロまで 4日
- 800キロまで 5日
- 1,000キロまで 6日
- 1,001キロ以上は200キロごとに1日を加えます。
つまり、「営業キロ÷200km+1日=有効期間(小数点以下切り上げ)」という計算式が成り立ちます
ちなみに、往復乗車券の有効期間は片道乗車券の2倍です
(例外:博多〜新下関間にかかわる往復乗車券の有効期間は「ゆき」「かえり」それぞれの合計)
列車乗車中に有効期間を経過した場合は、途中下車をしない限り券面に表示された最終駅まで使用できます
活用次第で、お得に旅が楽しめる
今後この制度がいつまで続くかわかりませんが、活用次第でお得かつユニークに旅をすることができる途中下車制度。
新幹線や高級旅客列車、高速バスなどとはまた違った魅力をもつ途中下車の旅を
是非、岩手でお楽しみ下さい!!!